後縦靱帯骨化症で正しいのはどれか。
- 日本人より欧米人に多い。
- 腰椎部に最も多く発生する。
- 進行すれば痙性麻痺を生じる。
- 発症は遺伝の影響を受けない。
- 有病率は男性より女性が高い。
解答解説
正解は 3.進行すれば痙性麻痺を生じる です。
後縦靱帯骨化症(OPLL: Ossification of the Posterior Longitudinal Ligament) は、脊椎の後縦靱帯が骨化する疾患で、脊髄や神経根を圧迫し、神経症状を引き起こす可能性があります。日本人に多い疾患で、骨化が進行すると脊髄の圧迫によって痙性麻痺や感覚障害を生じることがあります。以下、それぞれの選択肢について詳しく解説します。
各選択肢の解説
- 日本人より欧米人に多い
後縦靱帯骨化症は日本人に多い疾患であり、欧米人ではまれです。特にアジア人に多くみられることが特徴で、民族差が明らかにされています。この選択肢は誤りです。 - 腰椎部に最も多く発生する
後縦靱帯骨化症は頸椎部に最も多く発生します。腰椎部に発生することもありますが、頻度は低いです。この選択肢は誤りです。 - 進行すれば痙性麻痺を生じる(正解)
骨化が進行すると、脊髄が圧迫されて神経症状が現れます。典型的には、下肢に痙性麻痺や歩行障害が生じることがあり、進行すると上肢や感覚障害もみられるようになります。この選択肢が正しいです。 - 発症は遺伝の影響を受けない
後縦靱帯骨化症の発症には遺伝的要因が関与していることが知られています。家族内発症の例や遺伝子異常との関連が指摘されており、遺伝の影響を受けないとはいえません。この選択肢は誤りです。 - 有病率は男性より女性が高い
後縦靱帯骨化症の有病率は男性に多いことが特徴です。女性にも発生しますが、男性の方が頻度が高いことが知られています。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
後縦靱帯骨化症は頸椎部に多く、進行すると脊髄の圧迫により痙性麻痺や歩行障害を引き起こします。また、遺伝的要因やアジア人に多いという民族的特徴を伴う疾患である点を覚えておくとよいでしょう。早期診断のために、画像診断(X線やMRI)が有用です。