骨粗鬆症の危険因子で誤っているのはどれか。
- 長期の臥床
- ビタミン A の不足
- エストロゲンの減少
- 原発性副甲状腺機能亢進症
- 副腎皮質ステロイドの長期投与
解答解説
正解は 2.ビタミン A の不足 です。
骨粗鬆症の危険因子には、生活習慣や疾患、薬剤の使用などが含まれますが、ビタミンAの不足は骨粗鬆症の危険因子ではありません。むしろ、ビタミンAの過剰摂取が骨密度の低下を引き起こすリスクとして知られています。以下、各選択肢を詳しく解説します。
各選択肢の解説
- 長期の臥床
長期の臥床は、重力負荷が減少することで骨代謝が低下し、骨密度が減少します。廃用性骨粗鬆症の原因として知られ、危険因子に該当します。この選択肢は正しいです。 - ビタミン A の不足(正解)
ビタミンAの不足は骨粗鬆症の直接的な危険因子ではありません。むしろ、ビタミンAを過剰摂取すると、骨形成の抑制や骨吸収の促進が起こり、骨密度が低下する可能性があります。この選択肢が誤りです。 - エストロゲンの減少
エストロゲンは骨密度を維持する重要なホルモンであり、閉経後のエストロゲンの減少は骨吸収を促進し、骨粗鬆症の大きなリスク要因となります。この選択肢は正しいです。 - 原発性副甲状腺機能亢進症
原発性副甲状腺機能亢進症では、副甲状腺ホルモン(PTH)の過剰分泌により骨吸収が亢進し、骨密度が低下します。これは骨粗鬆症の危険因子の一つです。この選択肢は正しいです。 - 副腎皮質ステロイドの長期投与
ステロイド薬は骨形成を抑制し、骨吸収を促進するため、骨粗鬆症を引き起こしやすい薬剤です。ステロイド性骨粗鬆症は臨床でよく見られる病態です。この選択肢は正しいです。
ワンポイントアドバイス
骨粗鬆症の危険因子は、生活習慣(運動不足、長期臥床)、内分泌疾患(エストロゲン減少、甲状腺・副甲状腺機能異常)、薬剤(ステロイド)など多岐にわたります。一方で、ビタミンAの不足は骨粗鬆症の危険因子ではなく、過剰摂取がリスクとなる点に注意しましょう。危険因子を整理して覚えることが、試験対策に役立ちます。