第5腰椎変性すべり症の症候として誤っているのはどれか。
- 頻尿
- 下肢痛
- 痙性歩行
- 間欠性跛行
- 会陰部の熱感
解答解説
正解は3.痙性歩行です。
第5腰椎変性すべり症では、神経根や馬尾神経が圧迫されることで、下肢痛、間欠性跛行、会陰部の異常感覚(熱感やしびれ)、排尿障害(頻尿など)が生じることがあります。一方、痙性歩行は中枢神経障害(脊髄損傷や上位運動ニューロン障害)でみられる症状で、腰椎変性すべり症ではみられません。
各選択肢の解説
- 頻尿
馬尾神経が圧迫されることで排尿障害が生じ、頻尿がみられることがあります。この選択肢は正しいです。 - 下肢痛
神経根の圧迫により、坐骨神経痛として下肢痛が生じることがあります。この選択肢は正しいです。 - 痙性歩行(正解)
痙性歩行は中枢神経障害(脳卒中、脊髄疾患など)による筋緊張の亢進が原因で生じる歩行障害です。第5腰椎変性すべり症ではみられません。 この選択肢が誤りです。 - 間欠性跛行
神経性間欠性跛行は、すべり症による馬尾や神経根の圧迫でよくみられる症状です。この選択肢は正しいです。 - 会陰部の熱感
馬尾神経の圧迫による知覚異常の一環として、会陰部に熱感やしびれを感じることがあります。この選択肢は正しいです。
ワンポイントアドバイス
腰椎変性すべり症の特徴的な症状を理解するために、以下を押さえておきましょう:
- 原因:腰椎の退行性変性による椎体の前方すべり。
- 主な症状:神経根の圧迫による下肢痛、間欠性跛行、馬尾神経症状(頻尿、会陰部異常感覚など)。
- 治療法:保存療法(体幹筋の強化、コルセット装着)や手術療法(固定術や減圧術)。
痙性歩行は中枢神経障害が原因となるため、末梢神経の圧迫による腰椎変性すべり症とは関連しないことを明確に区別してください。