1本の神経線維を電気刺激した場合の興奮伝導の説明で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 興奮は一方向に伝わる。
- 興奮は減衰せずに伝わる。
- 興奮は太い線維ほど速く伝わる。
- 興奮は並走する別の線維に伝わる。
- 有髄線維では興奮が髄鞘に伝わる。
解答解説
正解は2. 興奮は減衰せずに伝わると3. 興奮は太い線維ほど速く伝わるです。
興奮伝導の特性は、神経の構造と生理学的特性に依存します。神経線維内での興奮伝導は不減衰伝導が特徴であり、太い線維ほど抵抗が小さく、伝導速度が速くなります。また、有髄線維では跳躍伝導によりさらに速度が向上します。
各選択肢の解説
- 興奮は一方向に伝わる
神経線維では刺激を受けると、両方向に興奮が伝わります。しかし、生体内ではシナプスなどの構造により一方向性が保たれます。1本の神経線維に限定すると両方向に伝わるため、この選択肢は誤りです。 - 興奮は減衰せずに伝わる(正解)
神経線維内の活動電位は、一定の振幅を保ちながら不減衰で伝導します。正しい選択肢です。 - 興奮は太い線維ほど速く伝わる(正解)
神経線維の直径が太いほど内部抵抗が小さく、伝導速度が速くなります。また、有髄線維では跳躍伝導が加わり、太い有髄線維は特に速い伝導を示します。正しい選択肢です。 - 興奮は並走する別の線維に伝わる
神経線維同士が電気的に接続されていないため、興奮は並走する別の線維には伝わりません。この選択肢は誤りです。 - 有髄線維では興奮が髄鞘に伝わる
髄鞘は絶縁体の役割を果たし、興奮はランビエ絞輪間を跳躍的に伝わります。髄鞘自体を興奮が伝わるわけではありません。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
興奮伝導の特性を理解するには、以下の点を押さえましょう:
- 不減衰伝導: 活動電位は振幅を保ちながら伝導する。
- 太い線維ほど速い: 内部抵抗が小さく、有髄線維では跳躍伝導が加わる。
- 髄鞘の役割: 絶縁体として機能し、ランビエ絞輪間で伝導速度を上げる。
これらの基本的な特性を押さえると、神経生理学の理解が深まります。