中心性脊髄損傷について正しいのはどれか。2つ選べ。
- 高齢者に多い。
- 骨傷に伴って生じることが多い。
- 頸椎の過屈曲によって発生することが多い。
- 肛門括約筋の収縮が障害されることが多い。
- 下肢より上肢機能が強く障害されることが多い。
解答解説
正解は1.高齢者に多いと5.下肢より上肢機能が強く障害されることが多いです。
中心性脊髄損傷(central cord syndrome)は、頸椎の外傷による脊髄損傷の一つで、高齢者に多くみられます。特に上肢の障害が強く出るのが特徴です。これは、頸髄の中央部にある灰白質付近が損傷されることで、上肢を支配する神経が影響を受けやすいことによります。
各選択肢の解説
- 高齢者に多い。(正解)
中心性脊髄損傷は、高齢者の頸椎の退行性変化(脊柱管狭窄症など)を背景に発生しやすいです。 この選択肢は正しいです。 - 骨傷に伴って生じることが多い。
中心性脊髄損傷は、頸椎骨折が伴わず、むち打ちや過伸展による外傷で発生することが多いです。 骨傷が必ずしも必要ではないため、この選択肢は誤りです。 - 頸椎の過屈曲によって発生することが多い。
中心性脊髄損傷は、過屈曲ではなく過伸展(首を後ろに反らす動作)によって発生することが多いです。この選択肢は誤りです。 - 肛門括約筋の収縮が障害されることが多い。
中心性脊髄損傷では、肛門括約筋の機能(排尿・排便機能)は保たれることが多いです。この選択肢は誤りです。 - 下肢より上肢機能が強く障害されることが多い。(正解)
中心性脊髄損傷では、上肢の運動機能や感覚が下肢よりも強く障害されることが特徴です。 この選択肢は正しいです。
ワンポイントアドバイス
中心性脊髄損傷のポイントを覚える際は、以下を押さえましょう:
- 発生メカニズム:高齢者の頸椎過伸展が主な原因。
- 症状:上肢の障害が強く、排尿・排便機能は保たれることが多い。
- 骨折の有無:骨折がなくても発生することがある。
これらを整理しておくことで、類似の脊髄損傷との違いを明確に理解できます。