観念運動失行の検査はどれか。
- 「今、何時ですか」
- 「右手の薬指はどれですか」
- 「歯を磨くまねをしてください」
- 「紙を折って封筒に入れてください」
- 「このカードに描いてある絵を覚えてください」
解答解説
正解は3.「歯を磨くまねをしてください」です。
観念運動失行(ideomotor apraxia)は、道具を用いない運動動作や身振り(ジェスチャー)の模倣が正しくできない状態を指します。具体的には、指示された動作を行うことができない一方で、無意識的には正しい動作を行えることがあります。検査では、「歯を磨くまねをしてください」や「手を振るまねをしてください」などの課題が用いられます。
各選択肢の解説
- 「今、何時ですか」
時刻を尋ねる質問であり、記憶や認知機能の評価に用いられる課題です。観念運動失行の評価とは関係がありません。この選択肢は誤りです。 - 「右手の薬指はどれですか」
身体の部位を識別する課題で、身体失認や定位障害の評価に関連します。観念運動失行の評価とは関係がありません。この選択肢は誤りです。 - 「歯を磨くまねをしてください」(正解)
観念運動失行では、このような道具を用いる動作のまねを正確に行うことが困難になります。 この選択肢が正解です。 - 「紙を折って封筒に入れてください」
この課題は主に実行機能や日常生活動作の評価に関連します。観念運動失行の評価には直接的ではありません。この選択肢は誤りです。 - 「このカードに描いてある絵を覚えてください」
記憶や認知機能の評価(例えばMMSEなど)に関連する課題であり、観念運動失行の評価とは無関係です。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
観念運動失行の評価では、道具を使う動作の模倣(例:歯を磨く、鍵を回すまね)やジェスチャーが正しく行えるかどうかがポイントです。観念運動失行と観念失行を区別する際も、それぞれの定義と具体例を押さえておくと試験で役立ちます。