上腕骨外側上顆炎について正しいのはどれか。
- 男性に多い。
- 高齢者に多い。
- 自発痛はない。
- 手関節伸筋腱の付着部の炎症である。
- 物を持ち上げる際は前腕回内位で行うようにする。
解答解説
正解は4.手関節伸筋腱の付着部の炎症であるです。
上腕骨外側上顆炎(lateral epicondylitis)は、通称「テニス肘」と呼ばれ、手関節伸筋群(特に短橈側手根伸筋)の腱が上腕骨外側上顆に付着する部分に起こる炎症です。繰り返しのストレスによって発生し、物を持ち上げる動作や手関節の伸展で痛みが悪化するのが特徴です。
各選択肢の解説
- 男性に多い。
上腕骨外側上顆炎は男女問わず発生しますが、特に女性に多い傾向があります。この選択肢は誤りです。 - 高齢者に多い。
年齢としては中年層(30~50歳代)に多く、高齢者には少ないです。この選択肢は誤りです。 - 自発痛はない。
上腕骨外側上顆炎では、炎症による自発痛がみられることがあります。また、荷物を持つ動作や手関節を伸ばす動作で痛みが増強します。この選択肢は誤りです。 - 手関節伸筋腱の付着部の炎症である。(正解)
上腕骨外側上顆炎の原因は、手関節伸筋群の過使用による付着部の炎症です。 特に短橈側手根伸筋が関与します。この選択肢が正解です。 - 物を持ち上げる際は前腕回内位で行うようにする。
痛みを軽減するためには、前腕回外位やニュートラルポジションで物を持つようにするのが一般的です。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
上腕骨外側上顆炎(テニス肘)の特徴を覚えるポイント:
- 原因:手関節伸筋群の反復使用(短橈側手根伸筋が主に関与)。
- 症状:外側上顆付近の圧痛、自発痛、動作時痛。
- 治療:安静、ストレッチ、装具療法(前腕バンド)、炎症を軽減する物理療法や薬物療法。
臨床での評価法には、中指伸展テストや握力テストが用いられます。試験対策としても重要なテーマです。