四肢からの感覚神経伝導路について正しいのはどれか。
- 触覚の線維は中脳で交叉する。
- 圧覚の線維は脊髄視床路を通る。
- 温度覚の線維は脊髄節で交叉する。
- 一次ニューロンの細胞体は後角にある。
- 痛覚の伝導路は延髄で二次ニューロンになる。
解答解説
正解は3. 温度覚の線維は脊髄節で交叉するです。
温度覚と痛覚の伝導路は外側脊髄視床路を通り、脊髄のレベルで交叉します。感覚は脊髄後角で二次ニューロンに伝えられ、交叉して脊髄視床路を上行し、視床を経由して大脳皮質へ伝わります。この特徴的な交叉部位が正解の根拠です。
各選択肢の解説
- 触覚の線維は中脳で交叉する
触覚のうち、精細な触覚は後索路を通り、延髄で交叉します。中脳で交叉することはありません。この選択肢は誤りです。 - 圧覚の線維は脊髄視床路を通る
圧覚の伝導路は後索-内側毛帯系を経由し、延髄で交叉します。脊髄視床路ではありません。この選択肢は誤りです。 - 温度覚の線維は脊髄節で交叉する(正解)
温度覚は痛覚と同様、脊髄節で交叉して外側脊髄視床路を上行します。正しい選択肢です。 - 一次ニューロンの細胞体は後角にある
一次ニューロンの細胞体は後角ではなく、脊髄の後根神経節(感覚神経節)に存在します。この選択肢は誤りです。 - 痛覚の伝導路は延髄で二次ニューロンになる
痛覚の伝導路は脊髄後角で二次ニューロンに伝達されます。延髄で二次ニューロンになるのは後索-内側毛帯系です。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
感覚神経伝導路の区別を明確に覚えることが重要です:
- 後索-内側毛帯系: 精細触覚、圧覚、振動覚(延髄で交叉)。
- 脊髄視床路: 温度覚、痛覚(脊髄で交叉)。
交叉部位と伝導経路を整理すると、感覚神経伝導路の理解が深まります。