第52回理学療法士国家試験　午前問題78

自分自身が受け入れることができない衝動・観念を、他の人が持っているとする防衛機制はどれか。

1. 反動形成
2. 合理化
3. 否認
4. 投影
5. 抑圧

解答解説

正解は4．投影です。

投影（projection）は、自分自身が持っている認めたくない感情や衝動、観念を他者に押し付ける防衛機制です。例えば、自分が抱く嫉妬心や敵意を他人が自分に向けていると感じる場合などが該当します。これにより、不快な感情を意識しないように防ぎます。

各選択肢の解説

1. 反動形成
   自分が持つ受け入れ難い感情や衝動に対して、正反対の態度や行動を取る防衛機制です。例えば、嫌いな相手に対して過剰に親切に振る舞うなどが該当します。この選択肢は誤りです。
2. 合理化
   不快な感情や状況を、もっともらしい理由をつけて正当化しようとする防衛機制です。たとえば、失敗を運のせいにする行動が該当します。この選択肢は誤りです。
3. 否認
   自分にとって受け入れがたい現実や感情を認識せず、それが存在しないかのように扱う防衛機制です。例えば、病気の診断を否定する行動が該当します。この選択肢は誤りです。
4. 投影(正解）
   自分の内面的な問題を他人に転嫁する防衛機制です。 たとえば、自分の攻撃性を他者が自分を攻撃していると感じることが該当します。この選択肢が正解です。
5. 抑圧
   自分にとって受け入れ難い感情や記憶を意識の外に追いやる防衛機制です。トラウマ的な体験を忘れてしまう場合などが該当します。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

防衛機制の理解では、それぞれの名称と具体例を結びつけて覚えることが大切です。特に投影、抑圧、反動形成などは試験で問われやすいので、日常的な例と結びつけて覚えると理解が深まります。