第52回

第52回理学療法士国家試験 午前問題62

運動単位について誤っているのはどれか。

  1. 1個の運動ニューロンとそれに支配される筋線維群を運動単位という。
  2. 1つの筋肉は多数の運動単位で構成される。
  3. 1個の運動ニューロンが何本の筋線維を支配しているかを神経支配比という。
  4. 上腕二頭筋より虫様筋の方が神経支配比は大きい。
  5. 最も強い筋収縮は筋のすべての運動単位が同期して活動するときに起こる。

解答解説

正解は4.上腕二頭筋より虫様筋の方が神経支配比は大きいです。

神経支配比は、1つの運動ニューロンが支配する筋線維の数を指します。細かい動きが必要な筋(例:虫様筋)は神経支配比が小さく、1つの運動ニューロンが少数の筋線維を支配します。一方、大きな力を発揮する筋(例:上腕二頭筋)は神経支配比が大きいです。この選択肢は、逆の説明をしているため誤りです。

各選択肢の解説

  1. 1個の運動ニューロンとそれに支配される筋線維群を運動単位という。
    運動単位の定義として正しい記述です。この選択肢は正しいです。
  2. 1つの筋肉は多数の運動単位で構成される。
    筋肉は多数の運動単位で構成され、それぞれが異なる運動ニューロンによって制御されています。この選択肢は正しいです。
  3. 1個の運動ニューロンが何本の筋線維を支配しているかを神経支配比という。
    神経支配比の定義として正しい記述です。この選択肢は正しいです。
  4. 上腕二頭筋より虫様筋の方が神経支配比は大きい。(正解)
    上腕二頭筋は大きな力を発揮するため神経支配比が大きく、虫様筋は細かい動きを行うため神経支配比が小さいです。 この選択肢は誤りです。
  5. 最も強い筋収縮は筋のすべての運動単位が同期して活動するときに起こる。
    筋のすべての運動単位が同期的に活動することで、最大の筋収縮が発揮されます。この選択肢は正しいです。

ワンポイントアドバイス

神経支配比は筋の機能と動きの精密さに関連する重要な指標です。 大筋群は大きな力発揮のために神経支配比が大きく、小筋群は精密な動きを実現するために神経支配比が小さいという特徴を覚えておきましょう。