重症筋無力症について正しいのはどれか。
- 起床時に症状が強い。
- 悪性腫瘍の合併が多い。
- 自己免疫性疾患である。
- 女性よりも男性に多い。
- 40歳以前の発症は稀である。
解答解説
正解は3. 自己免疫性疾患であるです。
重症筋無力症(MG: Myasthenia Gravis)は、神経筋接合部において、アセチルコリン受容体に対する自己抗体が産生されることで、筋力低下を引き起こす自己免疫性疾患です。症状は活動によって悪化し、休息により回復する特徴があります。
各選択肢の解説
- 起床時に症状が強い
重症筋無力症の症状は夕方から夜にかけて悪化しやすく、起床時は比較的軽快しています。この選択肢は誤りです。 - 悪性腫瘍の合併が多い
重症筋無力症の合併として多いのは胸腺腫などの胸腺疾患であり、悪性腫瘍全般の合併が多いわけではありません。この選択肢は誤りです。 - 自己免疫性疾患である(正解)
重症筋無力症は自己免疫性疾患であり、アセチルコリン受容体に対する自己抗体が関与します。正しい選択肢です。 - 女性よりも男性に多い
若年発症は女性に多く、中高年発症では男性に多い傾向がありますが、全体的には女性に多い疾患です。この選択肢は誤りです。 - 40歳以前の発症は稀である
重症筋無力症は若年発症(特に20~30代)が多く、40歳以前の発症は珍しくありません。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
重症筋無力症の特徴を整理して覚えましょう:
- 原因: 自己抗体(アセチルコリン受容体抗体、MuSK抗体など)。
- 症状: 筋力低下(活動により悪化、休息で回復)、眼瞼下垂、複視、嚥下障害。
- 診断: 抗体検査、テンシロン試験、反復神経刺激試験。
- 治療: 抗コリンエステラーゼ薬、免疫抑制療法、胸腺摘出術(胸腺腫がある場合)。
活動と休息による症状の変動が特徴的なため、試験では日内変動についての出題が多い点に注意しましょう。