第59回

第59回理学療法士国家試験 午後問題87

装具療法の主たる目的ではないものを選びなさい。

  1. 機能の補助
  2. 局所の免荷
  3. 筋力の強化
  4. 疼痛の軽減
  5. 変形の矯正

解答解説

正解は 3.筋力の強化 です。

装具療法は、身体の一部を支えることで機能を補助したり、痛みや負担を軽減したり、変形を防ぐ・矯正することを目的としています。ただし、装具自体が筋力を直接的に強化する効果はありません。以下、それぞれの選択肢について詳しく解説します。

  1. 機能の補助
    装具療法の主な目的の一つです。装具は、関節や筋肉が損傷している場合にその機能を補助する役割を果たします。例えば、足関節装具(AFO)は歩行時の足部や足関節の安定性を確保し、機能を補助します。この選択肢は装具療法の主たる目的であるため誤りです。
  2. 局所の免荷
    装具は局所への負担を減らす(免荷する)ために使用されます。例えば、膝装具や股関節装具は関節への圧力を軽減し、損傷部位の保護や治癒促進に役立ちます。この選択肢は装具療法の主たる目的であるため誤りです。
  3. 筋力の強化(正解)
    装具自体が筋力を直接的に強化する機能はありません。筋力の強化には、運動療法やトレーニングが必要です。装具はむしろ補助やサポートを目的としており、筋力強化とは異なる目的を持ちます。この選択肢が正解です。
  4. 疼痛の軽減
    装具は、患部の動きを制限したり負担を軽減することで、疼痛を軽減する役割を果たします。例えば、脊椎装具は腰痛や脊椎疾患に伴う痛みを軽減するために使用されます。この選択肢は装具療法の主たる目的であるため誤りです。
  5. 変形の矯正
    装具は、骨や関節の変形を矯正する目的で使用されることがあります。たとえば、脊柱側弯症に対しては脊柱装具を用いて矯正することがあります。この選択肢は装具療法の主たる目的であるため誤りです。

ワンポイントアドバイス

装具療法は、機能補助局所免荷疼痛軽減変形予防・矯正が主たる目的です。筋力強化は装具療法の目的ではなく、運動療法やリハビリテーションがその役割を担います。装具療法の具体的な適応と目的を整理しておくと、試験で問われる類似問題にも対応しやすくなります。