第59回

第59回理学療法士国家試験 午後問題61

末梢神経の C 線維で正しいのはどれか。

  1. 有髄線維である。
  2. 骨格筋を支配する。
  3. 受容器は筋紡錘である。
  4. B 線維より直径が小さい。
  5. Aα 線維より伝導速度が速い。

解答解説

正解は「4」です。

C線維は、無髄線維であり、直径が非常に小さく(約0.4~1.2 µm)、伝導速度も非常に遅い(約0.5~2 m/s)のが特徴です。B線維よりも直径が小さいのが正しい記述です。主に鈍い痛み(遅延性の痛み)や温度感覚を伝達するほか、自律神経系にも関与します。

選択肢ごとの解説

  1. 有髄線維である。
    誤りです。C線維は無髄線維であり、髄鞘を持ちません。
  2. 骨格筋を支配する。
    誤りです。骨格筋を支配するのは、Aα線維やAγ線維などであり、C線維は主に痛みや温度感覚、自律神経系の働きに関与します。
  3. 受容器は筋紡錘である。
    誤りです。筋紡錘は主にAα線維やAγ線維が関与し、C線維とは無関係です。
  4. B 線維より直径が小さい。
    正解です。 C線維はB線維より直径が小さく、伝導速度も遅いです。B線維は自律神経の有髄線維で、直径はC線維より大きいです。
  5. Aα 線維より伝導速度が速い。
    誤りです。C線維の伝導速度は非常に遅く(約0.5~2 m/s)、Aα線維(約80~120 m/s)の伝導速度よりはるかに遅いです。

ワンポイントアドバイス

神経線維の分類では、A(α、β、γ、δ)、B、Cの順で直径が小さくなり、伝導速度も遅くなります。特にC線維は無髄線維である点が重要です。C線維の役割(鈍い痛みや温感の伝達、自律神経系への関与)を理解しておくと試験で応用が利きます。