第59回

第59回理学療法士国家試験 午前問題72

足関節で正しいのはどれか2つ選べ。

  1. 距腿関節は2度の運動自由度をもつ。
  2. 後脛骨筋は外がえしの共同筋である。
  3. ヒラメ筋は足部内がえしに作用する。
  4. 足根中足関節の主な運動は滑りである。
  5. 立方骨は内側縦アーチを構成する骨の一つである。

解答解説

正解は 3. ヒラメ筋は足部内がえしに作用する4. 足根中足関節の主な運動は滑りである です。

各選択肢の解説

  1. 距腿関節は2度の運動自由度をもつ
    距腿関節(足関節)は、背屈と底屈の1自由度のみを持つ関節であり、2度の運動自由度はありません。内がえし・外がえしは、主に距骨下関節や横足根関節で行われます。
  2. 後脛骨筋は外がえしの共同筋である
    後脛骨筋は足関節の内がえしと底屈に関与する筋です。外がえしではなく内がえしに作用するため、この選択肢は誤りです。
  3. ヒラメ筋は足部内がえしに作用する(正解)
    ヒラメ筋は、主に足関節の底屈に作用しますが、同時にわずかな内がえしにも作用します。そのため、この選択肢は正解です。
  4. 足根中足関節の主な運動は滑りである(正解)
    足根中足関節(リスフラン関節)は、滑り(グライディング)運動を行い、足の安定性と柔軟性をサポートしています。このため、この選択肢も正解です。
  5. 立方骨は内側縦アーチを構成する骨の一つである
    立方骨は外側縦アーチを構成する骨の一部であり、内側縦アーチには関与しません。内側縦アーチは、踵骨、距骨、舟状骨、楔状骨、第一中足骨で構成されています。このため、この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

足部の関節と筋の作用については、自由度やアーチの構造、各筋の作用を正確に理解することが重要です。ヒラメ筋が底屈とともにわずかな内がえしにも関与する点や、足根中足関節が滑り運動をする点は、足部の安定性に関わるためしっかり覚えておきましょう。