転移・逆転移で適切なのはどれか。
- 転移は逆転移を誘発する。
- 陰性転移の解釈は避ける。
- 逆転移は治療の阻害因子となる。
- 逆転移は治療者の意識的反応である。
- 心理治療の目標は陽性転移の出現である。
解答解説
正解は1.転移は逆転移を誘発するです。
転移とは、患者が過去の重要な対人関係での感情や態度を治療者に投影する現象を指します。一方、逆転移とは、治療者が患者に対して無意識的に反応することです。転移が生じることで治療者側に逆転移が誘発されるため、治療関係の中で両者が密接に関連します。適切に扱うことで、治療の一助とすることも可能です。
選択肢の解説
- 転移は逆転移を誘発する。
正解です。患者の転移は、治療者の中で無意識的な感情や態度を引き出し、逆転移を誘発します。これは心理治療の過程で頻繁に見られる現象であり、治療者が自己認識を深めることで治療の質を向上させることができます。 - 陰性転移の解釈は避ける。
誤りです。陰性転移(患者が治療者に対して敵意や不信感を抱くこと)も治療における重要な現象です。解釈を避けるのではなく、適切に扱い、その背景にある心理的要因を理解することが求められます。 - 逆転移は治療の阻害因子となる。
誤りです。逆転移が未熟な治療者によって無意識に表出されると、治療の阻害因子となる可能性がありますが、逆転移を適切に理解し活用することで、治療を深める助けにもなります。 - 逆転移は治療者の意識的反応である。
誤りです。逆転移は治療者の無意識的な反応であり、意識的な行動や態度とは区別されます。治療者の無意識の理解が逆転移の適切な対処につながります。 - 心理治療の目標は陽性転移の出現である。
誤りです。陽性転移(患者が治療者に信頼や親愛の情を抱くこと)は治療において有用なこともありますが、それ自体が最終的な目標ではありません。心理治療の目標は患者が自己理解を深め、健全な対人関係を築けるようになることです。
ワンポイントアドバイス
転移と逆転移は心理治療において重要な概念です。特に、治療者が逆転移を意識的に把握することは、治療関係を深める上で重要なポイントとなります。また、転移には陽性と陰性があり、それぞれに応じた適切な対応が治療の成功に繋がります。