笑いなどの強い情動で突然に筋緊張が低下し脱力する。このような症状がみられるのはどれか。
- 欠神てんかん
- 側頭葉てんかん
- ナルコレプシー
- 血管迷走神経失神
- Jackson 型てんかん
解答解説
正解は3.ナルコレプシーです。
ナルコレプシーは、日中の過度の眠気や睡眠発作を主症状とする睡眠障害です。この疾患には、笑いや驚きなどの情動刺激によって筋緊張が突然低下するカタプレキシー(情動脱力発作)が伴うことがあります。カタプレキシーは、突然の脱力により膝が崩れたり、倒れたりする発作を引き起こしますが、意識は保たれるのが特徴です。
選択肢の解説
- 欠神てんかん
誤りです。欠神てんかんは、短時間の意識喪失が特徴であり、筋緊張低下や脱力発作は伴いません。発作中は目の焦点が合わなくなる程度の変化が見られますが、情動とは無関係です。 - 側頭葉てんかん
誤りです。側頭葉てんかんでは、主に自動症(無意識の動作)や感情の異常(恐怖感や不安など)が見られますが、情動に関連した脱力発作は典型的ではありません。 - ナルコレプシー
正解です。ナルコレプシーでは、情動刺激(笑い、驚きなど)によるカタプレキシーがよく見られます。この症状はナルコレプシーに特異的で、診断の手がかりとなります。 - 血管迷走神経失神
誤りです。血管迷走神経失神は、ストレスや立ちくらみによる失神であり、情動脱力発作とは異なります。失神に至る場合は意識を失うことが特徴です。 - Jackson 型てんかん
誤りです。Jackson型てんかんは、体の一部から始まる部分発作で、進展すると全身性けいれんになることがあります。情動脱力発作とは異なる病態です。
ワンポイントアドバイス
ナルコレプシーはカタプレキシーの存在が診断の鍵になります。情動脱力発作が見られる疾患は限られるため、この症状がある場合はナルコレプシーを強く疑うべきです。また、日中の強い眠気も特徴的な症状として覚えておくと、臨床での鑑別に役立ちます。