統合失調症の前駆期にみられるのはどれか。
- 聴覚過敏
- 奇異な妄想
- 滅裂な思考
- 感情の平板化
- 緊張病症候群
解答解説
正解は1.聴覚過敏です。
統合失調症の前駆期には、病気の進行によって明らかな精神病症状(妄想や幻覚など)が現れる前に、不安や集中力の低下、感覚過敏、疲労感などの非特異的な症状が見られることがあります。聴覚過敏はその一つで、特定の音が非常に気になる、過剰に刺激を受けるなどの症状として現れます。他の選択肢の症状は、統合失調症の発症期や慢性期に見られることが多いです。
選択肢の解説
- 聴覚過敏
正解です。統合失調症の前駆期に見られる感覚過敏の一例であり、不安や過剰な感覚刺激に敏感になることが特徴です。 - 奇異な妄想
誤りです。奇異な妄想(非現実的で奇妙な妄想)は、統合失調症の発症期や急性期に多く見られる症状であり、前駆期の段階ではあまり見られません。 - 滅裂な思考
誤りです。滅裂な思考は、統合失調症の急性期や慢性期で見られる症状であり、前駆期の特徴的な症状ではありません。 - 感情の平板化
誤りです。感情の平板化(感情表現の乏しさや感情の減退)は統合失調症の慢性期に特徴的であり、前駆期には通常見られません。 - 緊張病症候群
誤りです。緊張病症候群(カタトニア)は統合失調症の特殊な病態で、発症期や慢性期に見られることが多いですが、前駆期の症状ではありません。
ワンポイントアドバイス
統合失調症の前駆期では、不安、気分の不安定、感覚過敏、集中力の低下など、非特異的な症状が目立つことがあります。一方で、妄想や幻覚、緊張病症候群のような明確な精神病症状は前駆期では通常見られません。これらの段階的な症状の違いを理解しておくことが、診断や治療の方向性を正しく考える助けとなります。