正常な胸部エックス線写真(別冊No. 2)を別に示す。番号と解剖学的名称の組合せで正しいのはどれか。
- ① ――肺静脈
- ② ――肋骨
- ③ ――下行大動脈
- ④ ――気管支
- ⑤ ――左房縁
解答解説
正解は4.④ ――気管支です。
④は気管支を示しており、エックス線写真では縦隔部に見られる典型的な構造です。気管支は肺門で枝分かれし、左右に分布しますが、今回の写真ではその形状が正常な範囲内で示されています。
選択肢の解説
- ① ――肺静脈
①は右肺動脈であり、肺静脈ではありません。肺静脈は通常、心臓の左房へ血液を戻すため、エックス線ではこの位置には現れません。この選択肢は誤りです。 - ② ――肋骨
②は右横隔膜を示しています。肋骨はエックス線写真で白く見える構造ですが、今回の番号②の位置ではありません。この選択肢は誤りです。 - ③ ――下行大動脈
③は大動脈弓を示しています。下行大動脈は胸部エックス線の縦隔の後方に位置しますが、③の位置ではありません。この選択肢は誤りです。 - ④ ――気管支
④は気管支を指し、エックス線写真で縦隔の中央に見られる黒い線状の構造として確認されます。選択肢の中で唯一正しい解答です。 - ⑤ ――左房縁
⑤は左心室を示しています。左房縁はエックス線写真では縦隔の左上に見られるべき構造であり、この位置とは異なります。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
胸部エックス線写真では、正常な解剖学的構造を正確に識別することが重要です。特に肺門部や縦隔の構造は、気管支や血管などが重なり合うため理解が難しい部分です。各部位の位置関係を立体的に覚えておくことで、臨床や試験においても役立ちます。