第51回

第51回理学療法士国家試験 午前問題91

加齢による身体構成成分の変化において若年時と比べて体重比が増加するのはどれか。

  1. 骨 塩
  2. 脂 肪
  3. 細胞外液
  4. 細胞内液
  5. 細胞性固形物

解答解説

正解は2.脂肪です。

加齢に伴い、筋肉量や骨密度(骨塩)は減少しますが、体脂肪の割合は増加します。特に、内臓脂肪の蓄積が顕著になることが多いです。一方で、細胞内液や細胞性固形物は減少し、身体の総水分量も減少します。このため、体重比に占める脂肪の割合が相対的に増加します。

選択肢の解説

  1. 骨塩
    誤りです。加齢に伴い骨密度が低下し、骨塩量は減少します。骨粗鬆症のリスクも増加します。
  2. 脂肪
    正解です。加齢とともに筋肉量が減少する一方で、脂肪量が増加します。特に運動不足や代謝の低下により、内臓脂肪や皮下脂肪の割合が高くなります。
  3. 細胞外液
    誤りです。細胞外液は加齢とともに増加することはなく、全体的な体液量が減少する傾向があります。
  4. 細胞内液
    誤りです。細胞内液は筋肉量の減少とともに減少します。全体的な身体の水分量が減るため、相対的に細胞内液も減少します。
  5. 細胞性固形物
    誤りです。細胞性固形物(筋肉など)は、筋肉量の減少によって低下します。サルコペニアの進行も、加齢による身体構成成分の変化の一つです。

ワンポイントアドバイス

加齢に伴う身体構成成分の変化は、筋肉量や骨量の減少、脂肪の増加という特徴があります。特に脂肪の増加は内臓脂肪型肥満や生活習慣病のリスクと関連します。このような変化を理解し、予防のために適切な運動や栄養管理が重要です。