反射検査の刺激部位で正しいのはどれか。
- 掌オトガイ反射
- 把握反射
- Babinski反射
- Chaddock反射
- Oppenheim反射
解答解説
正解は2.把握反射です。
把握反射は、手のひらに物理的な刺激を与えた際に、手指を屈曲して物を握り込む反応です。図2では手掌に適切に刺激を加える方法が示されています。この反射は新生児に見られる原始反射の一つであり、成人に出現した場合は中枢神経障害を疑います。
選択肢の解説
- 掌オトガイ反射
掌オトガイ反射は、手掌(特に母指球部)を刺激すると、同側のオトガイ(あご)の筋が収縮する反応です。図1では刺激部位が手の中心に示されており、正確な部位ではありません。この選択肢は誤りです。 - 把握反射
把握反射では、手掌の中枢寄りの部位(図2のように手のひら)を刺激することで、手指が握り込む反応が見られます。この刺激部位は正確であり、選択肢の中で正しいものです。この選択肢が正解です。 - Babinski反射
Babinski反射は足底を外側から足趾の方へ擦り上げることで、母趾が背屈し他の趾が扇状に開く反応です。図3では刺激部位として足底外側の線が正しく示されていますが、この問題の正解は把握反射であり、この選択肢は該当しません。 - Chaddock反射
Chaddock反射は外果の下から足背に沿って刺激を加えたときに、母趾が背屈する反応です。図4では足背の刺激が示されており、刺激の方向と位置は正しいものです。しかし、選択肢2が正解として該当します。 - Oppenheim反射
Oppenheim反射は、脛骨の前縁を上から下に指で擦ったときに、母趾が背屈する反応です。図5の示す刺激部位は正確ですが、正解は把握反射の刺激部位を示した選択肢2です。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
反射検査では、それぞれの反射に対応した特定の刺激部位と反応を正確に覚えることが重要です。把握反射は手掌への刺激で誘発され、原始反射として新生児期に正常ですが、成人で出現する場合は病的意義があります。BabinskiやChaddockなどの病的反射も試験で頻出なので比較して覚えておきましょう。