頸椎後縦靱帯骨化症の症候で正しいのはどれか。
- 鉛管様固縮
- 間欠性跛行
- 膀胱直腸障害
- 下肢腱反射消失
- Wrightテスト陽性
解答解説
正解は3.膀胱直腸障害です。
頸椎後縦靱帯骨化症(OPLL: Ossification of the Posterior Longitudinal Ligament)は、頸椎の後縦靱帯が骨化し、脊髄や神経根を圧迫する疾患です。脊髄が強く圧迫されると、下肢の痙性麻痺、膀胱直腸障害、感覚障害などが生じます。膀胱直腸障害は、脊髄症状が進行した場合に見られる代表的な症状です。
選択肢の解説
- 鉛管様固縮
誤りです。鉛管様固縮は、パーキンソン病に見られる筋緊張異常であり、頸椎後縦靱帯骨化症の症状ではありません。 - 間欠性跛行
誤りです。間欠性跛行は、脊柱管狭窄症や閉塞性動脈硬化症(ASO)で見られる症状です。頸椎後縦靱帯骨化症では典型的な症状ではありません。 - 膀胱直腸障害
正解です。脊髄が強く圧迫されると、排尿や排便の調節が困難になる膀胱直腸障害が生じることがあります。これは進行した頸椎後縦靱帯骨化症の重要な症状の一つです。 - 下肢腱反射消失
誤りです。頸椎後縦靱帯骨化症では、脊髄の圧迫により下肢の痙性麻痺や腱反射亢進が見られることが一般的です。腱反射が消失することは稀です。 - Wrightテスト陽性
誤りです。Wrightテストは胸郭出口症候群の評価に用いられるもので、頸椎後縦靱帯骨化症には関連しません。
ワンポイントアドバイス
頸椎後縦靱帯骨化症では、脊髄症状が特徴的で、下肢の痙性麻痺、腱反射亢進、感覚障害、膀胱直腸障害などが進行する可能性があります。症状の進行具合に応じて適切な診断と治療が求められるため、他疾患の症状と区別して覚えておきましょう。