第51回

第51回理学療法士国家試験 午前問題66

胆汁について正しいのはどれか。

  1. pHは酸性である。
  2. 消化酵素が含まれる。
  3. 胆細管から分泌される。
  4. 総胆管から小腸内に排出される。
  5. 小腸内の胆汁は大半が大腸で再吸収される。

解答解説

正解は4.総胆管から小腸内に排出されるです。

胆汁は肝臓で生成され、胆管系を通って総胆管に集められ、ファーター乳頭を通じて十二指腸(小腸)に排出されます。胆汁は消化酵素を含まないが、脂肪の乳化を助ける胆汁酸などが含まれています。他の選択肢は胆汁に関する誤った記述です。

選択肢の解説

  1. pHは酸性である。
    誤りです。胆汁は弱アルカリ性(pH7.5~8程度)です。これにより、胃酸で酸性になった内容物を中和する役割を果たします。
  2. 消化酵素が含まれる。
    誤りです。胆汁には消化酵素は含まれません。主成分である胆汁酸は、脂肪の乳化や脂肪消化酵素であるリパーゼの作用を補助します。
  3. 胆細管から分泌される。
    誤りです。胆汁は肝細胞で生成され、胆細管は胆汁を収集する管です。胆汁自体が胆細管から分泌されるわけではありません。
  4. 総胆管から小腸内に排出される。
    正解です。胆汁は肝臓から胆嚢を経由して総胆管を通り、ファーター乳頭のオッディ括約筋を経て十二指腸に排出されます。この流れが脂肪消化を助けます。
  5. 小腸内の胆汁は大半が大腸で再吸収される。
    誤りです。胆汁成分のほとんどは回腸(小腸末端部)で再吸収され、肝臓に戻る腸肝循環を行います。大腸で再吸収されることはありません。

ワンポイントアドバイス

胆汁の役割と流れを理解する際は、以下のポイントを押さえましょう:

  • 胆汁の主成分:胆汁酸、胆汁色素(ビリルビン)、コレステロール。
  • 機能:脂肪の乳化と消化の補助。
  • 腸肝循環:胆汁酸が回腸で再吸収されるプロセス。
    これらを整理することで、胆汁の機能や流れを効率的に覚えられます。