第51回

第51回理学療法士国家試験 午前問題90

福山型筋ジストロフィーについて正しいのはどれか。

  1. 男児のみに発症する。
  2. 初発症状は3歳前後でみられる。
  3. 精神遅滞はDuchenne型に比べて少ない。
  4. 発症頻度はDuchenne型に比べて少ない。
  5. 15歳以降も歩行が可能であることが多い。

解答解説

正解は4.発症頻度はDuchenne型に比べて少ないです。

福山型筋ジストロフィー(Fukuyama congenital muscular dystrophy: FCMD)は、常染色体劣性遺伝形式をとる進行性の筋疾患で、日本特有の疾患です。福山型は発症頻度が低く、Duchenne型(DMD)が最も頻度が高いのに対し、それに比べて稀です。DMDはX連鎖性遺伝病であるため男児に多いですが、福山型は男女ともに発症します。

選択肢の解説

  1. 男児のみに発症する。
    誤りです。福山型筋ジストロフィーは常染色体劣性遺伝であるため、男女ともに発症します。
  2. 初発症状は3歳前後でみられる。
    誤りです。福山型筋ジストロフィーは先天性筋疾患であり、生後間もなく筋力低下や筋緊張低下が認められるのが特徴です。
  3. 精神遅滞はDuchenne型に比べて少ない。
    誤りです。福山型筋ジストロフィーでは、中枢神経系の異常を伴うことが多く、Duchenne型よりも精神発達遅滞の頻度が高いです。
  4. 発症頻度はDuchenne型に比べて少ない。
    正解です。福山型筋ジストロフィーは日本特有の疾患であり、発症頻度はDuchenne型に比べて少ないです。
  5. 15歳以降も歩行が可能であることが多い。
    誤りです。福山型筋ジストロフィーでは筋力低下が進行性であり、歩行能力を獲得することが難しい場合も多く、15歳以降の歩行保持は稀です。

ワンポイントアドバイス

福山型筋ジストロフィーの特徴は、先天性の筋緊張低下、進行性の筋力低下、中枢神経系の異常を伴うことです。Duchenne型と混同しないよう、発症時期や遺伝形式、精神遅滞の程度などの違いをしっかり整理して覚えましょう。