各臓器と血流量の局所性調節の組み合わせで正しいのはどれか。
- 骨格筋 乳酸の蓄積が血管を収縮
- 心臓 低酸素が冠細動脈を収縮
- 脳 二酸化炭素分圧上昇が細動脈を収縮
- 肺 低酸素が細動脈を収縮
- 皮膚 交感神経亢進が細動脈を拡張
解答解説
正解は「4」です。
肺では、局所的な低酸素状態(低酸素血症)が肺細動脈を収縮させる現象(低酸素性肺血管収縮)が生じます。これは、酸素供給が不十分な肺胞への血流を減少させ、酸素供給が豊富な部分へ血流を集中させるための適応的なメカニズムです。他の選択肢は誤りです。
選択肢ごとの解説
- 骨格筋 乳酸の蓄積が血管を収縮
誤りです。乳酸などの代謝産物は血管を収縮させるのではなく、血管を拡張させます。これにより、運動中の骨格筋では血流が増加します。 - 心臓 低酸素が冠細動脈を収縮
誤りです。心臓の冠細動脈では、低酸素は血管を収縮させるのではなく、拡張させて血流を増加させます。 - 脳 二酸化炭素分圧上昇が細動脈を収縮
誤りです。脳では二酸化炭素分圧が上昇すると、細動脈は拡張し、血流が増加します。これにより脳の酸素供給が増加します。 - 肺 低酸素が細動脈を収縮
正解です。 肺では、低酸素状態が肺細動脈を収縮させ、酸素化効率を高める適応的なメカニズムが働きます。 - 皮膚 交感神経亢進が細動脈を拡張
誤りです。皮膚では交感神経亢進は通常、血管を収縮させます。温熱環境では交感神経の一部が抑制されることで血管が拡張しますが、交感神経そのものが亢進して拡張するわけではありません。
ワンポイントアドバイス
臓器ごとに血流調節のメカニズムは異なるため、それぞれの特徴を整理して覚えましょう。特に肺の低酸素性肺血管収縮や、脳・心臓の代謝産物や酸素分圧への反応は試験で頻出の内容です。