抗てんかん薬の副作用として、最も頻度が低いものを選びなさい。
- 傾眠
- 複視
- めまい
- 肝機能障害
- 末梢神経障害
解答解説
正解は 5.末梢神経障害 です。
抗てんかん薬には中枢神経系に作用する薬が多いため、傾眠、複視、めまいといった中枢性の副作用は比較的高頻度でみられます。一方、末梢神経障害は特定の抗てんかん薬でまれに報告される副作用であり、頻度は低いといえます。以下、各選択肢について詳しく解説します。
各選択肢の解説
- 傾眠
抗てんかん薬は中枢神経系を抑制する作用があるため、眠気や傾眠は非常に一般的な副作用の一つです。特にバルプロ酸やカルバマゼピンなどでよく見られます。この選択肢は頻度が高いため誤りです。 - 複視
複視(物が二重に見える)は、カルバマゼピンやフェニトインなどの抗てんかん薬でよく報告される副作用です。これは、眼球運動を制御する神経への影響によるものです。この選択肢も頻度が高いため誤りです。 - めまい
抗てんかん薬によるめまいもよく報告される副作用で、特にカルバマゼピンやラモトリギンなどで多く見られます。中枢神経系への作用によるものと考えられています。この選択肢は頻度が高いため誤りです。 - 肝機能障害
肝臓で代謝される抗てんかん薬(例:バルプロ酸、フェニトイン)では、肝機能障害が副作用として発生することがあります。ただし頻度は中程度であり、全ての患者に生じるわけではありません。この選択肢は末梢神経障害よりも頻度が高いです。 - 末梢神経障害(正解)
末梢神経障害は、抗てんかん薬の中でも非常にまれな副作用です。ガバペンチンやプレガバリンといった末梢神経障害の治療に用いられる薬では、逆に末梢神経障害を起こす可能性はさらに低いです。この選択肢が正しいです。
ワンポイントアドバイス
抗てんかん薬の副作用は多岐にわたりますが、特に中枢神経系への影響(傾眠、複視、めまいなど)は高頻度で発生するため、患者指導が重要です。一方、末梢神経障害のような副作用は頻度が低いため、特定の薬剤でのみ注意が必要です。また、肝機能障害などの臓器障害については、定期的な検査によるモニタリングを行うことが推奨されます。