Gerstmann症候群に認められるのはどれか。
- 健忘
- 失算
- 失構音
- 遂行機能障害
- 半側空間無視
解答解説
正解は2.失算です。
Gerstmann症候群は、主に左角回の病変により引き起こされる神経学的症候群です。この症候群では以下の4つの特徴的な症状が認められます:
- 失算(計算障害)
- 手指失認(指の識別困難)
- 失書(書字障害)
- 左右失認(左右の区別ができない)
これらの症状がそろう場合、Gerstmann症候群と診断されます。
選択肢の解説
- 健忘
誤りです。健忘(記憶障害)はGerstmann症候群の特徴的な症状ではありません。記憶障害は、側頭葉の病変やアルツハイマー病などに関連します。 - 失算
正解です。Gerstmann症候群の代表的な症状の一つです。計算能力が著しく低下し、基本的な計算も困難になります。 - 失構音
誤りです。失構音は発話に関連する障害で、構音に困難が生じる状態を指します。これは運動性構音障害や小脳病変に関連することが多く、Gerstmann症候群には含まれません。 - 遂行機能障害
誤りです。遂行機能障害は、前頭葉の損傷による計画や実行の障害を指します。Gerstmann症候群の症状ではありません。 - 半側空間無視
誤りです。半側空間無視は、右半球の病変(特に右頭頂葉)が原因で生じることが多く、Gerstmann症候群には関連しません。
ワンポイントアドバイス
Gerstmann症候群は特定の脳領域(左角回)が障害された場合に出現する症候群で、失算、手指失認、失書、左右失認という特徴的な4つの症状を覚えることが重要です。他の症候群との鑑別に役立つ知識ですので、試験対策としてしっかり整理しておきましょう。