第51回

第51回理学療法士国家試験 午前問題61

破骨細胞について正しいのはどれか。

  1. 骨小腔に存在する。
  2. 骨芽細胞を破壊する。
  3. 不動で活性が低下する。
  4. 巨大な多核細胞である。
  5. プロテオグリカンを合成する。

解答解説

正解は4.巨大な多核細胞であるです。

破骨細胞(Osteoclast)は、骨吸収を行う巨大な多核細胞です。骨表面で骨基質を溶解し、骨のリモデリングに重要な役割を果たします。他の選択肢は破骨細胞に関する誤った記述です。

選択肢の解説

  1. 骨小腔に存在する。
    誤りです。骨小腔には骨細胞が存在します。破骨細胞は骨表面に位置し、ハウシップ窩(Howship’s lacuna)という特定のくぼみで活動します。
  2. 骨芽細胞を破壊する。
    誤りです。破骨細胞は骨基質を破壊(吸収)する細胞であり、骨芽細胞は破壊しません。骨芽細胞は骨形成を担う細胞で、破骨細胞と相互作用しながら骨代謝に関与します。
  3. 不動で活性が低下する。
    誤りです。破骨細胞は骨表面を移動しながら活動を行います。不動になるとその活性は低下するのではなく、通常の活動が停止します。
  4. 巨大な多核細胞である。
    正解です。破骨細胞は単球やマクロファージ由来の前駆細胞が融合して形成される巨大な多核細胞です。多核細胞の構造が効率的な骨吸収を可能にしています。
  5. プロテオグリカンを合成する。
    誤りです。プロテオグリカンは主に軟骨や結合組織で合成され、骨形成を担う骨芽細胞が関与することがあります。破骨細胞は骨吸収に特化しており、プロテオグリカンを合成しません。

ワンポイントアドバイス

破骨細胞は骨吸収を担う特殊な細胞で、骨芽細胞(骨形成)や骨細胞(骨維持)と異なる役割を果たします。骨代謝の仕組みを理解する際は、それぞれの細胞の機能と位置を区別して覚えることが大切です。また、破骨細胞の活動はカルシウム代謝や骨疾患にも深く関わるため、試験対策においても重要なポイントです。