手根管症候群でみられる症候はどれか。
- 下垂手
- 骨間筋の萎縮
- 小指のしびれ
- 母指球筋の萎縮
- Guyon管のTinel徴候陽性
解答解説
正解は 4. 母指球筋の萎縮 です。
手根管症候群は、正中神経が手根管で圧迫されることによって発生する症候群です。正中神経支配領域の感覚異常や運動障害が特徴で、特に母指球筋(母指外転筋や母指対立筋など)の萎縮がみられることが多いです。また、正中神経支配領域である親指から薬指半分までのしびれが主な症状となります。
各選択肢の解説
- 下垂手
下垂手は、橈骨神経麻痺で見られる症状です。手根管症候群では正中神経が障害されるため、下垂手は見られません。この選択肢は誤りです。 - 骨間筋の萎縮
骨間筋は尺骨神経に支配されています。手根管症候群は正中神経の圧迫による症状であるため、骨間筋の萎縮は通常見られません。この選択肢は誤りです。 - 小指のしびれ
小指は尺骨神経支配領域にあるため、手根管症候群では通常しびれません。小指のしびれは尺骨神経障害(Guyon管症候群など)で見られる症状です。この選択肢は誤りです。 - 母指球筋の萎縮(正解)
手根管症候群では正中神経の圧迫により、母指球筋の萎縮が見られることがあります。これが手根管症候群の典型的な症状です。 - Guyon管のTinel徴候陽性
Guyon管のTinel徴候は、尺骨神経がGuyon管で圧迫されることにより発生します。手根管症候群ではなく、Guyon管症候群に関連する症状です。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
手根管症候群の特徴的な症状には、母指球筋の萎縮や、正中神経支配領域(親指から薬指半分まで)のしびれがあります。尺骨神経が障害されるGuyon管症候群と混同しないように注意しましょう。