第59回

第59回理学療法士国家試験 午前問題30

関節リウマチの槌指による中足骨頭部の痛みに対する装具で最も適切なのはどれか。

1.踵補高
2.外側フレアヒール
3.内側フレアヒール
4.逆 Thomas ヒール
5.メタタルザルパッド

正解は5です。

解答解説

正解は 5.メタタルザルパッド です。

  • メタタルザルパッドは、足底の中足骨頭部(足の裏の付け根部分)への圧力を分散し、痛みを軽減するために用いられるパッドです。関節リウマチの患者では、中足骨頭部に痛みが生じやすいため、この部分への負担を軽減するメタタルザルパッドが有効です。特に槌指(つちゆび)の変形がある場合、中足骨頭部に過度の圧力がかかりやすいため、メタタルザルパッドが最も適切な選択です。

選択肢の解説

  1. 踵補高
    踵補高は、足の踵を高くして歩行時のかかとの衝撃を軽減するための方法ですが、前足部の圧力軽減には直接関係がありません。中足骨頭部の痛みを軽減する効果は期待できません。
  2. 外側フレアヒール
    外側フレアヒールは、靴の外側を広げた形状で、外側に重心が偏るのを防ぐために用いられます。足部の内反を予防する効果がありますが、中足骨頭部の痛みには直接効果がありません。
  3. 内側フレアヒール
    内側フレアヒールは、靴の内側を広げて重心を内側に保つために使用され、足部の外反を予防する役割があります。中足骨頭部の痛みの軽減には直接役立ちません。
  4. 逆 Thomas ヒール
    逆 Thomas ヒールは、足の内側縁を高くして内側アーチをサポートするヒールですが、中足骨頭部の痛み軽減には直接関係がありません。偏平足などのサポートには有効ですが、槌指による中足骨頭部の痛みに対する効果は期待できません。
  5. メタタルザルパッド
    正解です。メタタルザルパッドは、中足骨頭部への圧力を分散する役割があり、槌指によって中足骨頭部に痛みが生じている場合に適切です。圧力を分散することで、歩行時の痛みを軽減します。

ワンポイントアドバイス

関節リウマチによる足部の痛みに対する装具には、特定の部位の圧力を軽減するものが効果的です。中足骨頭部の痛みにはメタタルザルパッドがよく使用され、圧力の分散によって痛みを和らげます。各種装具の用途を理解し、患者の症状に適した装具を選択できるようにしましょう。