第51回

第51回理学療法士国家試験 午前問題63

神経筋接合部の神経伝達物質はどれか。

  1. ドパミン
  2. セロトニン
  3. アドレナリン
  4. γアミノ酪酸
  5. アセチルコリン

解答解説

正解は5.アセチルコリンです。

神経筋接合部(Neuromuscular Junction)は、運動神経終末と骨格筋繊維との接続部であり、アセチルコリン(ACh)が主要な神経伝達物質として働きます。運動神経終末から放出されたアセチルコリンが筋細胞膜のニコチン型アセチルコリン受容体に結合することで、筋収縮が誘発されます。

選択肢の解説

  1. ドパミン
    誤りです。ドパミンは中枢神経系で働く神経伝達物質であり、運動制御や報酬系に関与しますが、神経筋接合部では使用されません。
  2. セロトニン
    誤りです。セロトニンは主に中枢神経系や消化管で働き、気分調整や睡眠、食欲に関与しますが、神経筋接合部の伝達物質ではありません。
  3. アドレナリン
    誤りです。アドレナリンは交感神経系で働くホルモン・神経伝達物質ですが、神経筋接合部での伝達物質としては関与していません。
  4. γアミノ酪酸(GABA)
    誤りです。GABAは中枢神経系の抑制性神経伝達物質として作用します。神経筋接合部で使用されることはありません。
  5. アセチルコリン
    正解です。アセチルコリンは、神経筋接合部で筋収縮を引き起こすために放出される主要な神経伝達物質です。これが筋細胞の受容体に結合することで、筋細胞の興奮が誘発されます。

ワンポイントアドバイス

神経筋接合部では、アセチルコリンが主役として働きます。この仕組みを理解する際は、運動神経終末での放出、筋細胞受容体での結合、筋収縮の一連の流れをしっかり押さえておくと良いでしょう。他の神経伝達物質の主な役割や働く場所も整理して覚えると、問題への対応力が高まります。