骨格筋の収縮について誤っているのはどれか。
- 電気刺激を与えた場合に筋活動電位が収縮に先行して生じる。
- 支配神経に単一刺激を加えて起こる収縮を単収縮という。
- 単収縮が連続して起こると階段現象がみられる。
- 刺激頻度を5〜6Hzに上げると強縮が起こる。
- 速筋は遅筋に比べ強縮を起こす刺激頻度の閾値が高い。
解答解説
正解は4.刺激頻度を5〜6Hzに上げると強縮が起こるです。
強縮は、骨格筋が一定以上の高頻度(通常20~30Hz以上)の電気刺激を受けたときに起こります。5~6Hzの低頻度では、強縮ではなく不完全な収縮が繰り返されるのみで、強縮には至りません。他の選択肢は正しい記述です。
選択肢の解説
- 電気刺激を与えた場合に筋活動電位が収縮に先行して生じる。
正しいです。筋収縮のプロセスでは、電気刺激により筋活動電位(アクションポテンシャル)が発生し、その後カルシウムイオンの放出を介して筋収縮が起こります。筋活動電位は収縮の引き金となります。 - 支配神経に単一刺激を加えて起こる収縮を単収縮という。
正しいです。単収縮とは、神経に単一の電気刺激を与えた際に起こる単一の筋収縮を指します。持続的な刺激ではなく、一過性の収縮反応です。 - 単収縮が連続して起こると階段現象がみられる。
正しいです。階段現象(トレッペ現象)は、筋が連続的な刺激を受けると、収縮の強さが徐々に増大する現象です。筋温やカルシウムイオン濃度の上昇が関係しています。 - 刺激頻度を5〜6Hzに上げると強縮が起こる。
誤りです。強縮は通常20~30Hz以上の高頻度刺激で起こります。5~6Hzでは不完全な収縮が連続して起こるだけで、強縮には至りません。 - 速筋は遅筋に比べ強縮を起こす刺激頻度の閾値が高い。
正しいです。速筋は遅筋に比べて収縮速度が速い反面、強縮を起こすためにはより高い刺激頻度(約50Hz以上)が必要です。遅筋は速筋よりも低頻度(約20~30Hz)で強縮が起こります。
ワンポイントアドバイス
骨格筋の収縮メカニズムを理解する際には、「単収縮」「階段現象」「強縮」の違いを明確に覚えることが大切です。また、速筋と遅筋の収縮特性や刺激頻度の違いを押さえておくと、問題に対応しやすくなります。