第59回

第59回理学療法士国家試験 午前問題7

関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準 1995 年)に従って図のように肩関節の可動域を測定する。

正しいのはどれか。

1. 背臥位で測定する。
2. 運動方向は屈曲である。
3. 基本軸は上腕骨である。
4. 参考可動域は 135 度である。
5. 体幹側屈の代償運動に注意する。

解答解説

正解は 5. 体幹側屈の代償運動に注意する です。

解説

図は、肩関節の外転動作の測定を示しています。肩関節外転の可動域測定では、代償運動として体幹の側屈が発生しやすいため、体幹が傾かないように注意することが重要です。このような代償運動が起こると、正確な可動域の測定が難しくなります。

各選択肢の解説

  1. 背臥位で測定する
    肩関節の外転は、通常立位または座位で測定します。背臥位では肩関節の可動域を測定しにくいため、不適切です。
  2. 運動方向は屈曲である
    図の動作は肩関節の外転を示しており、屈曲ではありません。屈曲は腕を前方に上げる動作ですので、誤りです。
  3. 基本軸は上腕骨である
    肩関節外転の可動域測定における基本軸は肩甲骨です。上腕骨は可動軸として扱いますので、この選択肢は誤りです。
  4. 参考可動域は135度である
    肩関節の外転における参考可動域は180度とされています。135度は標準的な可動域よりも小さく、誤りです。
  5. 体幹側屈の代償運動に注意する
    肩関節外転の測定時には体幹の側屈による代償運動が発生しやすいため、これを防ぐことが重要です。正解です。

ワンポイントアドバイス

肩関節の可動域測定では、肩甲骨を基本軸とし、上腕骨を可動軸として測定します。また、代償運動(特に体幹の側屈や肩甲骨の挙上)を防ぐために、姿勢をしっかりと保持させることが正確な評価に重要です。