間質性肺疾患の所見で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 湿性咳嗽を生じる。
- 拡散障害による低酸素血症を呈する。
- 呼吸機能検査で閉塞性換気障害を呈する。
- 胸部単純エックス線写真で線維化を呈する。
- コースクラックル〈coarse crackles・水泡音〉を聴取する。
解答解説
正解は「2」と「4」です。
間質性肺疾患(ILD)は、肺胞壁や間質を中心に炎症や線維化が生じる疾患群です。これにより拡散障害を来し、低酸素血症を引き起こします。また、胸部エックス線やCTでは間質の線維化像やすりガラス様陰影が特徴的にみられます。
選択肢ごとの解説
- 湿性咳嗽を生じる。
間質性肺疾患では乾性咳嗽(から咳)が主な症状です。湿性咳嗽(水泡音を伴う咳)は主に気道感染や気管支炎でみられるため、誤りです。 - 拡散障害による低酸素血症を呈する。
正解です。 肺胞と血液間のガス交換が障害されるため、拡散障害が生じ、低酸素血症を引き起こします。特に運動時に顕著です。 - 呼吸機能検査で閉塞性換気障害を呈する。
間質性肺疾患では、閉塞性ではなく拘束性換気障害(肺活量低下、TLC低下)が特徴です。このため、誤りです。 - 胸部単純エックス線写真で線維化を呈する。
正解です。 胸部エックス線では線維化やすりガラス様陰影などが特徴的にみられます。進行例では蜂巣肺(はちのす肺)も観察されます。 - コースクラックル〈coarse crackles・水泡音〉を聴取する。
間質性肺疾患では、吸気時に聴取されファインクラックル(fine crackles・捻髪音)が特徴です。コースクラックル(水泡音)は誤りです。
ワンポイントアドバイス
間質性肺疾患の特徴として、拘束性換気障害やファインクラックル(捻髪音)、拡散障害による低酸素血症があります。画像所見では線維化やすりガラス様陰影が重要な診断指標です。試験対策として、咳嗽の種類や呼吸音の特徴を正確に理解しておきましょう。