フレイルの高齢者の特徴として正しいものを選びなさい。
- 筋量が増加する。
- TUG(Timed Up and Go)時間が短くなる。
- 長座位前屈距離が短くなる。
- 運動負荷時のBorg指数が低値になる。
- FBS(Functional Balance Scale)が低値になる。
解答解説
正解は 5.FBS(Functional Balance Scale)が低値になる です。
フレイル(虚弱)は、高齢者にみられる身体的、精神的、社会的な機能の低下を指します。特に身体的フレイルでは、筋力、柔軟性、バランス能力の低下が顕著で、運動機能の評価においてさまざまな指標に影響を及ぼします。以下、選択肢を正答も含めて解説します。
- 筋量が増加する
フレイルでは、サルコペニア(筋量の減少)を伴うことが多く、筋量はむしろ減少します。筋量の増加はフレイルの特徴ではありません。この選択肢は誤りです。 - TUG(Timed Up and Go)時間が短くなる
フレイル高齢者では筋力やバランス能力が低下しているため、TUGテストの時間は通常延長します。TUG時間が短くなるのはフレイルとは逆の特徴です。この選択肢は誤りです。 - 長座位前屈距離が短くなる
フレイル高齢者では柔軟性が低下し、長座位前屈距離が短くなることがありますが、これはフレイルに直接関連する評価項目ではなく、他の身体能力(柔軟性や筋力)を間接的に反映しているに過ぎません。この選択肢は誤りです。 - 運動負荷時のBorg指数が低値になる
フレイル高齢者では運動耐性が低下しているため、運動負荷時には主観的疲労感が強くなり、Borg指数は高値になることが一般的です。低値になるという記述はフレイルの特徴とは逆です。この選択肢は誤りです。 - FBS(Functional Balance Scale)が低値になる(正解)
FBSは、バランス能力を評価するスケールです。フレイル高齢者ではバランス能力が低下しているため、FBSのスコアが低値になることが多いです。バランス機能の低下はフレイルの特徴的な症状の一つであるため、この選択肢が正しいです。
ワンポイントアドバイス
フレイルの評価には、歩行速度の低下、握力低下、疲労感、身体活動量の減少、体重減少(サルコペニアの要素)などが含まれます。バランス能力も重要な指標であり、FBSやTUGテストの結果に注意することが必要です。また、日常生活動作への影響を早期に発見し、適切な介入を行うことで、フレイルの進行を防ぐことが重要です。