新しい運動を学習するときに患者の手続き記憶に変換される段階はどれか。
- 患者に理想とする運動パターンを言葉で教示しているとき。
- 患者に運動課題を提示しつつ説明しているとき。
- 患者が運動を試行錯誤しているとき。
- 患者が正しい運動パターンを反復練習しているとき。
- 患者が実際の生活環境で実践しているとき。
解答解説
正解は4.患者が正しい運動パターンを反復練習しているときです。
手続き記憶(Procedural memory)は、運動や技能を反復することで無意識に遂行できるようになる記憶形式です。運動学習において、患者が正しい運動パターンを繰り返し練習する段階で、手続き記憶に変換されます。これは、動作が熟練し、意識せずに行えるようになるための重要なプロセスです。
選択肢の解説
- 患者に理想とする運動パターンを言葉で教示しているとき。
誤りです。この段階では患者は運動の理論や目標を理解する段階にあり、記憶は主に宣言的記憶(Declarative memory)として処理されています。手続き記憶にはまだ変換されていません。 - 患者に運動課題を提示しつつ説明しているとき。
誤りです。この段階は運動学習の初期段階で、課題理解が進む段階ですが、まだ手続き記憶に変換される段階ではありません。 - 患者が運動を試行錯誤しているとき。
誤りです。この段階は運動のフィードバックを得るための探索的なプロセスであり、手続き記憶に変換される前の試行錯誤の段階です。 - 患者が正しい運動パターンを反復練習しているとき。
正解です。この段階で反復練習を通じて運動が無意識的に遂行できるようになり、手続き記憶に変換されます。反復の質と量が運動学習の成功を大きく左右します。 - 患者が実際の生活環境で実践しているとき。
誤りです。この段階は運動パターンがすでに手続き記憶として固定され、実践や応用に進んでいる段階です。手続き記憶に変換される過程はすでに完了しています。
ワンポイントアドバイス
運動学習は、「認知段階」「連合段階」「自動化段階」の3段階をたどります。手続き記憶への変換は、連合段階での反復練習を通じて進みます。正しい運動パターンを繰り返し学習させることで、効果的な記憶形成と技能の向上が可能となります。