第51回

第51回理学療法士国家試験 午前問題47

地域包括ケアシステムで特に重視されるのはどれか。

  1. 自助の軽減
  2. 互助の推進
  3. 共助の拡充
  4. 要介護度の細分化
  5. 国が主体の取り組み

解答解説

正解は2.互助の推進です。

地域包括ケアシステムは、高齢者が住み慣れた地域で自分らしい生活を続けられることを目指す仕組みで、「自助」「互助」「共助」「公助」の4つの助け合いが基盤となっています。その中でも、住民同士が支え合う「互助」の仕組み(地域コミュニティの形成、ボランティア活動など)が特に重視され、制度や施策を補完する重要な役割を果たします。

選択肢の解説

  1. 自助の軽減
    誤りです。地域包括ケアシステムでは、自助(自分自身で生活を支える力)は重要な要素とされており、軽減するのではなく、自助を支える仕組みが求められています。
  2. 互助の推進
    正解です。地域住民同士の支え合いや、ボランティア活動、地域の助け合い組織を活性化することが、地域包括ケアシステムの中心的な目標の一つです。互助の推進は、公助(行政支援)の負担軽減にもつながります。
  3. 共助の拡充
    誤りです。共助(介護保険制度や民間サービス)も重要ですが、地域包括ケアシステムでは特に互助が重視されます。共助は制度の一環として整備されている部分が多く、互助のように地域での主体的な取り組みとは異なります。
  4. 要介護度の細分化
    誤りです。要介護度の評価は地域包括ケアシステムとは直接関係がありません。介護保険制度の運用において重要なポイントではありますが、地域住民が主体となる「互助」を推進することとは結びつきません。
  5. 国が主体の取り組み
    誤りです。地域包括ケアシステムは、地域主体での取り組みを基本としています。国は政策や制度の枠組みを整備する役割を担いますが、実際の運営は地域の主体性に委ねられています。

ワンポイントアドバイス

地域包括ケアシステムでは、地域住民同士が協力し合う「互助」の仕組みを育むことが鍵となります。具体的には、ボランティア活動、サロンや見守り活動の拡充などがその例です。地域力を高めることが、今後の超高齢社会において重要な課題です。