脳性麻痺の痙直型両麻痺で生じやすい肢位はどれか。
- 踵足
- 外反母趾
- 股関節外転位
- 股関節外旋位
- クラウチング肢位
解答解説
正解は5.クラウチング肢位です。
痙直型両麻痺では、下肢の痙縮により関節の可動域が制限されやすく、特に股関節屈曲、膝関節屈曲、足関節背屈が過剰となるクラウチング肢位(しゃがみ込むような姿勢)が特徴的です。これは歩行や立位時にエネルギー効率を悪化させ、ADLの困難を引き起こします。
選択肢の解説
- 踵足
誤りです。踵足は足関節が背屈した状態を指しますが、痙直型両麻痺では通常足関節の底屈位が強調されやすく、踵足になることは少ないです。 - 外反母趾
誤りです。外反母趾は足の前足部の変形であり、痙直型両麻痺の特徴的な肢位ではありません。足のアライメント異常は出現することがありますが、外反母趾自体が主な特徴ではありません。 - 股関節外転位
誤りです。痙直型両麻痺では内転筋の痙縮が強く、むしろ股関節内転位が見られることが多いです。股関節外転位はこの疾患の典型的な肢位ではありません。 - 股関節外旋位
誤りです。股関節外旋位も、痙直型両麻痺で頻繁に見られる肢位ではありません。通常は内旋や屈曲位が問題となります。 - クラウチング肢位
正解です。クラウチング肢位は、痙直型両麻痺の患者に多く見られる姿勢です。股関節と膝関節の屈曲、足関節の背屈が目立ち、筋の不均衡や痙縮の影響で生じます。この姿勢は歩行においてエネルギー効率が悪くなるため、早期からの対策が重要です。
ワンポイントアドバイス
クラウチング肢位は痙縮や筋力の不均衡が原因で生じ、立位や歩行の効率を低下させます。痙縮の緩和やストレッチ、装具療法、外科的治療が選択されることがあります。この特徴的な肢位を理解し、適切な介入を計画できるようにしましょう。