第51回

第51回理学療法士国家試験 午前問題37

切断と断端長の計測部位との組合せで正しいのはどれか。

  1. 上腕切断――上腕骨大結節から断端末
  2. 前腕切断――肘頭から断端末
  3. 大腿切断――坐骨結節から断端末
  4. 膝関節離断――大転子から断端末
  5. 下腿切断――膝蓋骨上縁から断端末

解答解説

正解は3.大腿切断――坐骨結節から断端末です。

切断後の断端長の計測部位は、義肢装着やリハビリ計画において重要です。大腿切断の場合、坐骨結節から断端末までの長さが基準となり、適切な計測が義肢装着時の安定性や歩行機能に直結します。他の選択肢は計測基準として誤っています。

選択肢の解説

  1. 上腕切断――上腕骨大結節から断端末
    誤りです。上腕切断の断端長は肩峰(肩甲骨の外側部)から断端末までの距離で計測します。上腕骨大結節を基準とすることはありません。
  2. 前腕切断――肘頭から断端末
    誤りです。前腕切断の断端長は肘関節外側上顆から断端末までを基準に計測します。肘頭は基準点にはなりません。
  3. 大腿切断――坐骨結節から断端末
    正解です。大腿切断の断端長は坐骨結節を基準に測定します。これは義足の適合や歩行機能の向上に直結するため、正確な計測が必要です。
  4. 膝関節離断――大転子から断端末
    誤りです。膝関節離断では膝関節裂隙を基準に計測します。大転子を基準にすることはありません。
  5. 下腿切断――膝蓋骨上縁から断端末
    誤りです。下腿切断の断端長は膝蓋骨前面下端(膝蓋骨尖)から断端末までの距離で計測します。膝蓋骨上縁を基準にするのは誤りです。

ワンポイントアドバイス

断端長の計測は、義肢装着の安定性やリハビリ計画において非常に重要です。切断部位ごとの正確な基準点を覚えましょう。また、計測時には断端の形状や軟部組織の状態も評価し、全体的な適合性を確認することが求められます。