関節リウマチに合併しやすいのはどれか。
- 内反足
- 脊椎分離症
- Heberden結節
- Dupuytren拘縮
- 指伸筋腱皮下断裂
解答解説
正解は5.指伸筋腱皮下断裂です。
関節リウマチ(RA)は慢性の炎症性疾患で、関節滑膜を中心に病変が進行します。これにより腱鞘や腱が弱くなり、腱断裂や脱臼が発生しやすくなります。特に指伸筋腱の皮下断裂は、手の変形性病変としてRAに特徴的な合併症の一つです。
選択肢の解説
- 内反足
誤りです。内反足は通常、先天性の足の形態異常や神経筋疾患(例:脳性麻痺)に関連して起こりますが、RAとの関連性は低いです。 - 脊椎分離症
誤りです。脊椎分離症は、特に腰椎での椎弓部に生じる骨性の損傷で、スポーツ活動などが原因となります。RAとは直接の関係はありません。 - Heberden結節
誤りです。Heberden結節は、変形性関節症(OA)の症状であり、DIP関節に硬い骨性の結節が生じるものです。RAではなくOAに特徴的です。 - Dupuytren拘縮
誤りです。Dupuytren拘縮は手掌腱膜の線維化による拘縮で、手指(特に小指と薬指)が屈曲したままになる病態です。RAではなく、遺伝や糖尿病が関与することが多いです。 - 指伸筋腱皮下断裂
正解です。RAでは、滑膜炎によって腱鞘が侵され、腱が摩耗して断裂することがあります。特に手や指の伸筋腱が断裂する例が多く、これがRAの進行による特徴的な合併症です。
ワンポイントアドバイス
関節リウマチでは、腱や靭帯の損傷が特徴的な合併症として知られています。特に手指の変形(スワンネック変形、ボタンホール変形)や腱断裂はRA特有の症状です。RA患者を診る際には、関節だけでなく腱や靭帯の状態にも注意を払いましょう。