第52回

第52回理学療法士国家試験 午後問題20

多職種で構成される病院内のカンファレンスに出席する際に、先輩から「この会議は、チームビルディングは成熟していて活発な議論がなされるが、コンフリクトマネジメントに課題がある」と助言を受けた。このカンファレンスにおける対応として最も優先すべきなのはどれか。

  1. 自分の意見を積極的に述べる。
  2. 参加者と打ち解けられるようにする。
  3. 意見が衝突した際に注意深く対応する。
  4. 他者の意見を傾聴することを優先する。
  5. 他者の意見に異を唱えずに議論を進める。

解答解説

正解は3. 意見が衝突した際に注意深く対応するです。

カンファレンスでは、活発な議論がチームの成長や問題解決に貢献しますが、意見が対立した際の対応が不十分であれば、議論が停滞したり、対立が深刻化する可能性があります。このため、コンフリクトマネジメント(対立の管理)に注意を払い、意見の衝突が起きた際に冷静かつ建設的に対応することが最も重要です。相手の意見を理解しつつ、自分の意見を適切に伝え、対立を協働的な問題解決に変えることが求められます。

各選択肢の解説

  1. 自分の意見を積極的に述べる
    活発な議論の場では自分の意見を述べることも重要ですが、コンフリクトマネジメントが課題である状況では、まず対立が生じた際の対応を優先すべきです。この選択肢は現状では最優先事項ではありません。
  2. 参加者と打ち解けられるようにする
    チームビルディングが成熟しているとされているため、すでに良好な関係性が構築されていると考えられます。したがって、この対応は現時点で優先すべき事項ではありません。
  3. 意見が衝突した際に注意深く対応する(正解)
    活発な議論が行われる場では、意見の衝突が避けられません。特にコンフリクトマネジメントが課題とされている場合には、対立を建設的に解消するための対応が最優先となります。これにより議論の質が向上し、チーム全体の目標達成に貢献できます。正答です。
  4. 他者の意見を傾聴することを優先する
    傾聴は議論において重要な姿勢ですが、コンフリクトマネジメントが課題である場合、対立の解消や適切な対応が優先されます。したがって、傾聴だけでは問題を解決できない可能性があります。
  5. 他者の意見に異を唱えずに議論を進める
    意見の対立を避けることは一見有効に見えますが、議論の本質的な解決を妨げる可能性があります。建設的な議論を行うためには、適切に異なる意見を出し合い、対立を解消するプロセスが必要です。この選択肢は不適切です。

ワンポイントアドバイス

コンフリクトマネジメントでは、対立を避けるのではなく、相手の意見を尊重しつつ、自分の意見を伝え、妥協点や解決策を見つけることが重要です。冷静な態度で議論を進めることが、チームの成長や目標達成につながります。