第52回

第52回理学療法士国家試験 午前問題40

部分損傷をきたした靱帯と強化すべき筋の組合せで適切なのはどれか。

  1. 二分靱帯       後脛骨筋
  2. 三角靱帯       短腓骨筋
  3. 前脛腓靱帯      前脛骨筋
  4. 前距腓靱帯      長腓骨筋
  5. リスフラン靱帯    下腿三頭筋

解答解説

正解は4.前距腓靱帯:長腓骨筋です。

前距腓靱帯は足関節の外側に位置する靱帯で、足関節の内反捻挫の際に最も頻繁に損傷されます。これに伴い、足関節の安定性が低下するため、外側部を補強する筋群、特に長腓骨筋を強化することが重要です。長腓骨筋は足関節の外反筋として作用し、前距腓靱帯損傷後のリハビリにおいて機能的補助を果たします。

各選択肢の解説

  1. 二分靱帯:後脛骨筋
    二分靱帯は足部の外側で、足の安定性に関与しますが、後脛骨筋は足の内側部を主にサポートする筋です。この組み合わせは適切ではありません。この選択肢は誤りです。
  2. 三角靱帯:短腓骨筋
    三角靱帯は足関節の内側に位置し、外反を防ぐ役割を持ちますが、短腓骨筋は外反を行う筋です。この組み合わせは適切ではありません。この選択肢は誤りです。
  3. 前脛腓靱帯:前脛骨筋
    前脛腓靱帯は足関節上部の安定性に寄与しますが、前脛骨筋は足関節背屈を担当します。この組み合わせは靱帯損傷の補助筋としては適切ではありません。この選択肢は誤りです。
  4. 前距腓靱帯:長腓骨筋(正解)
    前距腓靱帯損傷では足関節の外反筋である長腓骨筋を強化することで、足関節外側の安定性を補うことができます。 この選択肢が正解です。
  5. リスフラン靱帯:下腿三頭筋
    リスフラン靱帯は足部中足骨の安定性に関与しますが、下腿三頭筋は足関節底屈を行う筋であり、直接的な補助筋としては不適切です。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

靱帯損傷後のリハビリでは、損傷した靱帯の役割を補う筋群を選択して強化することが重要です。足関節の外側靱帯損傷では、長腓骨筋や短腓骨筋をターゲットにした訓練を優先することを覚えておきましょう。