関節リウマチの症状と理学療法の組合せで正しいのはどれか。
- 肩関節痛
- 手指の変形
- 足の外反母趾
- 膝関節外反変形
- 環軸関節亜脱臼
解答解説
正解は5.環軸関節亜脱臼:頸椎前屈姿勢の予防です。
関節リウマチ(RA)では、頸椎の環軸関節に炎症が及ぶことで亜脱臼が生じ、脊髄圧迫や神経症状が現れることがあります。このため、頸椎を安定させる姿勢指導や前屈姿勢の予防が重要です。特に前屈姿勢は環軸関節への負担を増加させるため、回避が推奨されます。
各選択肢の解説
- 肩関節痛:持続伸張運動
関節リウマチの急性期や活動期では、炎症が強い場合に持続伸張運動を行うと痛みや炎症を悪化させる可能性があります。 炎症が落ち着いた状態での軽い可動域運動が推奨されます。この選択肢は誤りです。 - 手指の変形:超音波療法
超音波療法は疼痛緩和や血流改善に効果がありますが、関節リウマチによる変形そのものを改善することはできません。 この選択肢は誤りです。 - 足の外反母趾:金属支柱付短下肢装具
外反母趾に対しては、足部のアライメントを整えるインソールや足底板が用いられるのが一般的です。金属支柱付短下肢装具は通常外反母趾の治療には使用しません。この選択肢は誤りです。 - 膝関節外反変形:外側ウェッジ
膝関節の外反変形では、外側ウェッジは負担を増加させる可能性があるため適切ではありません。 内側ウェッジが選択されることが多いです。この選択肢は誤りです。 - 環軸関節亜脱臼:頸椎前屈姿勢の予防(正解)
環軸関節亜脱臼は関節リウマチにおける頸椎の代表的な病変です。 頸椎前屈姿勢は環軸関節に負担をかけるため、これを避けることが理学療法上重要です。この選択肢が正解です。
ワンポイントアドバイス
関節リウマチの理学療法では、炎症期と緩解期での治療方針の違いを明確にすることが重要です。 特に頸椎病変への対応では、姿勢指導や装具の使用を通じて負担軽減を図ることが求められます。変形の予防や進行抑制のためのアプローチを正確に理解しておきましょう。