第52回

第52回理学療法士国家試験 午前問題38

超音波治療が可能なのはどれか。

  1. 金属プレートによる骨折固定部位
  2. 血友病性関節症
  3. 小児の大腿骨下端部
  4. 深部静脈血栓症
  5. 転移性骨腫瘍部位

解答解説

正解は1.金属プレートによる骨折固定部位です。

超音波治療は、組織の治癒促進や疼痛緩和、炎症軽減を目的に広く使用されます。金属プレートが骨折固定に使用されている場合でも、プレート周囲での超音波治療が安全に可能であり、骨癒合促進効果が期待できます。ただし、金属が加熱するリスクがあるため、適切な使用方法と設定が必要です。

各選択肢の解説

  1. 金属プレートによる骨折固定部位(正解)
    骨折部位の治癒を促進するために超音波治療が適用されます。 金属プレートがあっても、低出力の超音波(LIPUS)を使用する場合は安全で、骨癒合を促進することが可能です。この選択肢が正解です。
  2. 血友病性関節症
    血友病性関節症では関節内出血が起こりやすく、超音波治療による加熱効果が症状を悪化させるリスクがあります。この選択肢は誤りです。
  3. 小児の大腿骨下端部
    小児の骨端線付近は成長板が存在するため、超音波治療による過剰な刺激が成長に悪影響を与える可能性があります。この選択肢は誤りです。
  4. 深部静脈血栓症
    超音波治療による加熱や血流促進効果は、血栓を動かし塞栓症を引き起こす危険性があります。このため、深部静脈血栓症には禁忌です。この選択肢は誤りです。
  5. 転移性骨腫瘍部位
    超音波治療は腫瘍部位への適用が禁忌とされています。超音波が腫瘍の進行や拡散に影響を与える可能性があるためです。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

超音波治療の適応と禁忌を明確に理解することが重要です。適応部位であっても、治療強度や設定に注意し、組織や患者の状態に応じた適切な使用が求められます。特に、金属プレートが存在する部位では、安全な範囲での使用が可能です。