第52回理学療法士国家試験　午前問題34

Parkinson病で主にみられる徴候はどれか。2つ選べ。

1. 眼振
2. 突進現象
3. 動作時振戦
4. 歯車様固縮
5. ミオクローヌス

解答解説

正解は2．突進現象と4．歯車様固縮です。

Parkinson病は、黒質のドパミン神経細胞の変性を特徴とする疾患で、運動機能障害が主症状です。主な徴候として、突進現象や歯車様固縮が挙げられます。これらは筋緊張の異常や姿勢反射障害に関連しています。

各選択肢の解説

1. 眼振
   眼振は、小脳や内耳の障害でみられることが多い症状であり、Parkinson病では通常みられません。この選択肢は誤りです。
2. 突進現象(正解）
   突進現象（propulsion）は、姿勢反射障害により、体が前方に倒れるのを防ぐことができず、突進する現象です。 Parkinson病の代表的な症状の1つで、この選択肢が正解です。
3. 動作時振戦
   Parkinson病では、主に安静時振戦がみられるため、動作時振戦は該当しません。この選択肢は誤りです。
4. 歯車様固縮(正解）
   歯車様固縮（cogwheel rigidity）は、筋緊張が高まり、関節を動かす際に歯車のような抵抗を感じる現象です。これはParkinson病の特徴的な徴候で、この選択肢が正解です。
5. ミオクローヌス
   ミオクローヌスは、不随意に筋肉が素早く収縮する現象であり、Parkinson病には通常みられません。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

Parkinson病の4大徴候は、①安静時振戦、②筋固縮、③無動・寡動、④姿勢反射障害です。また、歩行障害（小刻み歩行や突進現象）や「歯車様固縮」などが特徴的な徴候である点を理解しておくことが重要です。