44歳の女性。関節リウマチ。エックス線写真(別冊No. 2)を別に示す。身の回りのことはできるが、仕事は行えない。この患者のSteinbrockerの分類はどれか。
1. ステージⅡ、クラスⅡ
2. ステージⅢ、クラスⅢ
3. ステージⅢ、クラスⅣ
4. ステージⅣ、クラスⅢ
5. ステージⅣ、クラスⅣ
解答解説
正解は4です。
Steinbrockerの分類は関節リウマチの進行度(ステージ)と機能分類(クラス)を評価する基準です。エックス線写真では、骨破壊が進行し、関節変形が顕著であるためステージⅣに該当します。また、患者の生活能力は身の回りのことは可能ですが、仕事ができない状況からクラスⅢに分類されます。
各選択肢の解説
- ステージⅡ、クラスⅡ
ステージⅡは骨びらんが認められるが、関節破壊が見られない状態です。この写真では関節破壊が進行しているため該当しません。また、クラスⅡは仕事が可能なレベルで、患者の状態には合致しません。 - ステージⅢ、クラスⅢ
ステージⅢは関節破壊が進行している状態ですが、軟部組織の癒着や骨性強直までは進行していません。この写真では癒着や骨性強直が見られるため該当しません。 - ステージⅢ、クラスⅣ
ステージⅢは上記の理由で誤りです。さらに、クラスⅣは身の回りのこともできない状態を示しますが、患者は身の回りのことは可能です。 - ステージⅣ、クラスⅢ(正解)
正しい選択肢です。ステージⅣは関節破壊が進行し、骨性強直や軟部組織の癒着が見られる状態で、この写真の特徴と一致します。また、クラスⅢは身の回りのことは可能だが、仕事ができない状態を指し、患者の状況に合致します。 - ステージⅣ、クラスⅣ
クラスⅣは身の回りのこともできない状態であるため、患者の状態とは異なります。
ワンポイントアドバイス
- Steinbrockerのステージ:エックス線所見や骨破壊の進行度に基づいて評価。
- Steinbrockerのクラス:患者の日常生活動作(ADL)の能力に基づいて評価。
- この分類は関節リウマチ患者の治療計画や予後予測に重要ですので、ステージとクラスの定義を正確に理解しておきましょう。