対象者を現在の生活習慣から喫煙群と非喫煙群とに分け、喫煙に起因する将来の脳血管障害の発生を明らかにする疫学研究法はどれか。
- 横断研究
- 記述的研究
- コホート研究
- 症例対照研究
- 無作為化比較試験
解答解説
正解は3.コホート研究です。
コホート研究は、一定の条件で対象者を分け(例:喫煙群と非喫煙群)、将来の疾病発生リスクを追跡調査する研究デザインです。この問題では喫煙と脳血管障害の因果関係を長期的に評価するため、コホート研究が最も適しています。
各選択肢の解説
- 横断研究
横断研究は、ある時点での集団の状態(喫煙と脳血管障害の有無など)を観察する研究です。しかし、因果関係を評価するには適していません。この選択肢は誤りです。 - 記述的研究
記述的研究は、疾病や健康状態の分布(頻度や傾向)を調べる研究であり、因果関係を検証するものではありません。この選択肢は誤りです。 - コホート研究(正解)
コホート研究は、特定の曝露(例:喫煙)の有無による将来の疾病発生リスクを追跡する研究デザインです。 この問題のように、喫煙群と非喫煙群で将来の脳血管障害の発生を比較する場合に適しています。これが正解です。 - 症例対照研究
症例対照研究は、既に疾病を発症した人(症例群)と発症していない人(対照群)を比較し、過去の曝露要因(喫煙の有無など)を調べる研究です。この問題では「将来の発生リスク」を調べるため、適していません。 - 無作為化比較試験
無作為化比較試験は、対象者をランダムに分け、介入の効果を検証する実験的研究です。この問題のような観察研究には該当しません。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
コホート研究は、「曝露の有無(例:喫煙)」と「将来の疾病発生(例:脳血管障害)」の因果関係を評価する際に有効な研究デザインです。一方、症例対照研究や横断研究との違いを理解し、適切な研究法を選択できるようにしておきましょう。