62歳の男性。パーキンソン病を診断されている。起立と歩行は可能であるが、歩行中の方向転換時に不安定で転倒しそうになることがある。また、姿勢反射障害がみられる。独居で生活しており、日常生活はほぼ自立しているが、通院には介助を要する。
この患者のHoehn & Yahrの重症度分類ステージはどれか。
- I
- II
- III
- IV
- V
解答解説
正解は3.IIIです。
Hoehn & Yahr分類は、パーキンソン病の重症度を臨床的に評価する基準で、以下の特徴を基に分類されます。この患者は方向転換時に不安定で姿勢反射障害があり、日常生活はほぼ自立していますが、通院には介助が必要です。これらはステージIIIに該当します。
各選択肢の解説
- I
症状は片側性で軽度、姿勢反射障害はなく、日常生活に支障をきたさない状態です。この患者は既に姿勢反射障害があるため、該当しません。 - II
症状が両側性に進展しているが、姿勢反射障害はまだみられず、日常生活は自立している状態です。この患者には姿勢反射障害がみられるため、該当しません。 - III(正解)
症状は両側性であり、軽度から中等度の姿勢反射障害がみられます。歩行可能で、日常生活も自立しているが、一部の場面で介助が必要となる段階です。この患者は歩行中の方向転換時に不安定であり、姿勢反射障害もみられることから、ステージIIIに該当します。 - IV
重度の障害があり、歩行や起立に介助が必要であるが、自力で立位を保つことが可能な状態です。この患者は歩行や起立が自立しているため該当しません。 - V
重度で車椅子またはベッド上の生活を余儀なくされる状態です。この患者は独歩が可能であるため、該当しません。
ワンポイントアドバイス
Hoehn & Yahr分類は臨床での重症度評価に役立ちます。特に姿勢反射障害の有無や日常生活での自立度が重要な判断基準です。試験では症状の進展度や生活状況から段階を推定する問題が多いため、各ステージの特徴を確実に理解しておきましょう。