伝導失語の言語的特徴はどれか。
- ジャーゴン
- 音韻性錯語
- 非流暢性発話
- 重度な理解障害
- 良好な復唱機能
解答解説
正解は2.音韻性錯語です。
伝導失語の特徴として、音韻性錯語(phonemic paraphasia)がよく見られます。これは、単語を正しく発音しようとするが、音素の入れ替わりや省略などが生じる現象です。また、伝導失語では復唱に著しい障害が見られる一方、発話は比較的流暢であり、聴覚理解も良好です。
選択肢の解説
- ジャーゴン
ジャーゴン(jargon)は、失語症の中でも重度のウェルニッケ失語で見られる特徴です。意味のない音の連なりを話す状態で、伝導失語には見られません。この選択肢は誤りです。 - 音韻性錯語
音韻性錯語は伝導失語の代表的な症状です。患者は発話時に音素を間違えやすく、例えば「テーブル」を「ペーブル」と発音するようなエラーが生じます。この選択肢が正解です。 - 非流暢性発話
非流暢性発話は、主にブローカ失語で見られる特徴で、発話の流暢性が低下します。伝導失語では発話は比較的流暢です。この選択肢は誤りです。 - 重度な理解障害
重度の理解障害はウェルニッケ失語で見られる特徴です。伝導失語では聴覚理解は比較的良好です。この選択肢は誤りです。 - 良好な復唱機能
伝導失語の重要な特徴は、復唱機能が著しく障害される点です。発話や理解が比較的良好であっても、復唱が難しい点が診断のポイントとなります。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
伝導失語の診断では、復唱の障害が特徴的であることを押さえておきましょう。また、音韻性錯語や比較的良好な聴覚理解も重要な診断の手がかりです。伝導失語は、ブローカ野とウェルニッケ野をつなぐ弓状束(arcuate fasciculus)の損傷が原因とされています。試験対策では他の失語症(ブローカ失語、ウェルニッケ失語など)との違いを明確に理解しておくことが重要です。