左半側空間無視の治療法として適切でないのはどれか。
- 視覚探索練習
- 体幹の右への回旋
- プリズム適応療法
- 後頸部経皮的通電刺激
- カロリック刺激〈Caloric stimulation〉
解答解説
正解は2.体幹の右への回旋です。
左半側空間無視の治療では、左側の空間への注意を促す介入が基本です。体幹を右に回旋すると、注意がさらに右側に偏る可能性があるため不適切です。左への注意を促進するためには、左方向への視覚探索練習やプリズム療法などが効果的です。
選択肢の解説
- 視覚探索練習
視覚探索練習は、無視されやすい左側の視覚的注意を促す訓練で、左半側空間無視に対する基本的な治療法の一つです。たとえば、左側に配置されたターゲットを意識して探索させる方法が有効です。この選択肢は適切です。 - 体幹の右への回旋
体幹を右に回旋すると、右側に注意がより偏り、左側への注意がさらに低下する可能性があります。左半側空間無視の治療法としては不適切です。この選択肢が不適切で正解です。 - プリズム適応療法
プリズム療法では、プリズムレンズを用いて左側の視覚情報を右側にずらすことで、患者に左側への注意を促す効果が期待できます。左半側空間無視に対する有効な治療法として知られています。この選択肢は適切です。 - 後頸部経皮的通電刺激
後頸部への経皮的通電刺激は、注意機能や感覚入力を促進する効果があり、左半側空間無視の治療にも用いられます。この選択肢は適切です。 - カロリック刺激〈Caloric stimulation〉
温冷刺激を内耳に与えることで注意を左側に引き戻す効果があります。カロリック刺激は左半側空間無視の治療法として一定の効果が期待される方法です。この選択肢は適切です。
ワンポイントアドバイス
左半側空間無視の治療では、患者が左側に注意を向けることを促進するアプローチが中心です。視覚探索練習やプリズム適応療法は標準的な治療法として広く用いられています。一方、体幹の右回旋のように、右への注意をさらに強めてしまう方法は避けるべきです。適切な治療法の選択が重要です。