筋とその短縮の有無を調べる検査との組合せで正しいのはどれか。
- 腸腰筋――Speed テスト
- 縫工筋――SLRテスト
- 大腿直筋――Thomas テスト
- 大腿筋膜張筋――Oberテスト
- ハムストリングス――Thompson テスト
解答解説
正解は4.大腿筋膜張筋――Oberテストです。
Oberテストは、大腿筋膜張筋および腸脛靱帯の短縮の有無を調べる検査です。このテストでは、被験者を側臥位にして膝を屈曲し、股関節を伸展した状態から下腿が自然に落下するかを確認します。短縮がある場合、下腿が落下せず、腸脛靱帯や大腿筋膜張筋の緊張が示唆されます。
選択肢の解説
- 腸腰筋――Speed テスト
Speedテストは上腕二頭筋長頭腱炎の診断に用いられるもので、腸腰筋の短縮とは関係がありません。腸腰筋の短縮を評価するにはThomasテストが適しています。この選択肢は誤りです。 - 縫工筋――SLRテスト
SLR(Straight Leg Raise)テストは、坐骨神経の伸張テストとして用いられるもので、縫工筋の短縮の評価には関係しません。縫工筋の短縮を特異的に調べるテストはありませんが、関節可動域や姿勢評価で間接的に確認します。この選択肢は誤りです。 - 大腿直筋――Thomas テスト
Thomasテストは腸腰筋の短縮を評価する検査で、大腿直筋の短縮を特異的に評価するものではありません。大腿直筋の短縮を調べる場合、エリーテスト(Ely’s Test)が適しています。この選択肢は誤りです。 - 大腿筋膜張筋――Oberテスト
Oberテストは、大腿筋膜張筋および腸脛靱帯の短縮を評価するための適切な検査です。検査中に下腿が自然に落下しない場合、短縮が疑われます。この選択肢が正解です。 - ハムストリングス――Thompson テスト
Thompsonテストは、アキレス腱断裂を確認するための検査です。ハムストリングスの短縮とは無関係であり、ハムストリングスの短縮を調べる場合にはSLRテストや90/90テストが用いられます。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
筋の短縮を評価するテストは、目的の筋に特異的な姿勢や動作を利用して行われます。代表的なテスト(Thomasテスト、Oberテスト、Elyテスト、SLRテストなど)と、それぞれが評価する筋を正確に覚えることが重要です。これにより、臨床や試験で正確に対応できるようになります。